カレンダーをめくるまでもなく、空気の匂いでわかる。
浮足立ったお祭り騒ぎの余韻が消え、街が少しずついつもの冷ややかな静寂を
取り戻していく。正月三が日という魔法の時間は、あっけなく過ぎ去っていった。
私の城である家賃数万円のアパートに、またいつもの貧乏な日常が帰ってきた。
ちゃぶ台の上に置かれたのは、炊きたての白米と、近所のスーパーで値引きされていた
柴漬け。それだけだ。けれど、この質素すぎる組み合わせこそが、
私の生活の基盤であり、ある種の様式美ですらある。
白米の甘みを噛み締め、ポリポリと小気味よい音を立てる漬物で追いかける。
これだけで一食分のお腹は十分に満たされる。
正直なところ、毎食これが続けばさすがに辟易してしまうが、
三日に一度くらいのペースであれば、それは「忍耐」ではなく「日常の範疇」に収まる。
贅沢を知った後の胃袋には、このくらいの実直さがちょうどいい。
おせちの華やかさも、お雑煮の温もりも、今はもう遠い記憶の彼方。
さて、今日からは通常運転だ。見栄を張る必要も、誰かに合わせる必要もない。
この慎ましくも愛おしい貧乏生活を、心ゆくまで堪能してやろうじゃないか。
まずは、残った漬物の最後の一切れを、大切に口へ運ぶことから始めるとしよう。
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