白菜が安いから買っちまったが

 白菜が安い。その安さに惹かれて、ついつい買ってしまった。

思い返せば正月前、雑煮に入れようと考えていた頃は、あまりの高値に手が出なかった。それでもなんとか四分の一のカットを買って、正月の雑煮に少しだけ彩りを添えたものだ。あれから一ヶ月近くが経とうとしている。今さら雑煮という時期でもない。分かってはいるのだが、安さには勝てなかった。

さて、何を作ろうか。いろいろと知恵を絞ってみたが、やはりこの白菜に一番しっくりくるのは雑煮だった。とっくに鏡開きは過ぎてしまったけれど、おひとり様の気楽な身の上だ、餅はまだ少し余っている。結局、今夜の献立は再び雑煮ということに落ち着いた。



白菜だらけの雑煮を胃に収めた後、残った白菜をどう処分するかという問題が浮上した。一人暮らしにとって、四分の一サイズの白菜でも一度に食べ切るのは難しい。寒さで甘みを増すこの時期の白菜は格別だが、この貧乏四畳半には、それを活かせるほどの料理のレパートリーがないのだ。

結局、残った白菜はとりあえず保存することにした。ラップに包んで冷蔵庫に放り込んでおけば、何とかなるかもしれない。



だが、この部屋では電気代を節約するために、冷蔵庫の開け閉めを極端に制限している。そのせいで、中に入れた野菜の存在を、しわしわに萎びてしまうまで忘れてしまうことが少なくない。いや、正確には料理に使う術がなかったり、切ったり煮たりする手間がおっくうだったりして、意図的に意識の外へ追いやってしまうのだ。

これまでも、そうした悲劇を何度となく繰り返してきた歴史がある。この安さに負けて連れ帰ってきた白菜が、これからどんな運命を辿るのか。

その答えが出るのは、もう少し先になりそうだ。

続く。


 

コメント