今日は節分。世間様は豆を投げたり太巻きを丸かじりしたりと忙しそうだけど、
この最果ての地にある貧乏四畳半には、そんな華やかなイベントはこれっぽっちも縁がない。
それでも、テレビから流れてくる節分祭の賑やかなニュースを眺めていると、
なんだか少しだけ心がザワついてしまう。おひとりさまの静かな部屋で、季節の節目に
取り残されているような、ちょっとした寂しさだろうか。
とはいえ、わざわざ豆を買いに行く気力も、高い恵方巻に手を出す贅沢も
今の自分にはない。
ふと思い立って棚を漁ってみると、非常食としてストックしていたイワシの缶詰が
ひとつ出てきた。節分にイワシを食べる風習、確かあったよな。
よし、今夜はこれで決まりだ。高級な寿司じゃなくたって、この小さな缶詰ひとつで
貧乏四畳半なりの節分を祝うとしようか。
小さめのフライパン(か鍋)に、缶詰の中身を汁ごと全部入れる。
少しだけ水か酒を足して火にかけ、フツフツしてきたら溶き卵を回し入れる。
卵が半熟になったら、熱々のご飯の上へドサッとかけるだけ。
味噌の甘辛さと卵のまろやかさが合わさって、一気に「定食屋の味」になる。
これで節分のお祝いじゃあ!
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