チーズたっぷりのグラタン

 キッチンに立ったとき、ふと戸棚から顔を出したドリアの素。 本来なら炊きたてのご飯に乗せて焼くのが王道なんだろうけど、今日の気分はもっと、こう、マカロニをハフハフ言わせたい感じだった。 というわけで、ルールを無視してグラタンに仕立ててみることにした。



オーブンから取り出した皿の上では、チーズがパチパチと音を立てて躍っている。 そもそも、ドリアとグラタンってどこが違うんだっけ。 スプーンを差し込みながら、ぼんやりそんなことを考えた。



グラタンっていうのは、もともとフランス生まれの。 皿にこびりついた焦げ目そのものを楽しむ、ちょっとお洒落な料理。 マカロニだったりジャガイモだったり、具材をソースで包み込んで焼き上げる。

対してドリアは、日本で進化した独自のデザイン。 その土台には、いつだって米がいる。 ソースとチーズの下に隠されたご飯が、すべてを受け止める安心感。 言うなれば、グラタンは「おかず」の顔をして食卓に現れるけれど、ドリアはそれ一皿で完結する「主食」の覚悟を決めている感じがする。

今日作ったのは、ドリアの素を使ったグラタン。 つまり、エリートな主食の血筋を持ちながら、マカロニを主役に据えたハイブリッドな一皿だ。 食べてみると、これが驚くほどしっくりくる。 ドリア用の濃厚なソースがマカロニの穴にしっかり入り込んで、噛むたびに旨みが溢れ出す。

米がない分、なんだか軽やかにフォークが進む。 ドリアのような重量感はないけれど、グラタン特有のあの軽快な満足感が心地いい。 素のポテンシャルを信じて、マカロニに浮気して正解だったな。

おこげの香ばしさを楽しみながら、最後の一口を飲み込む。

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