極貧生活

 もともと贅沢とは無縁の、言ってしまえば極貧な生活を送っている僕だけど、

さらなる試練が待ち受けている。というのも、大腸検査を控えているからだ。

今日から僕の食卓は、自由を奪われた制限食の世界へと突入する。

まず、野菜が一切摂取できない。これが地味にきつい。

豆腐の味噌汁を作っても、彩りのネギを入れることすら許されない。

うどんを食べようにも、かまぼこもなし。お稲荷さんなんてもってのほかだ。

ただの素うどんか、白米。漬物があれば少しは食が進むのだけど、残念ながら漬物も

オフリミット。お米は食べてもいいらしいが、おかゆにするのがベターとのこと。

どんどん食卓から色が消えていく。

肉類はもともと高いから普段からそんなに食べていないけれど、

これも基本的には禁止状態。

唯一の救いは魚類がOKなことだけど、蒸し料理に限るっていうのはどうなんだろう。

焼いて香ばしく食べたいけれど、それも我慢しなきゃいけないのか。

幸い、卵は食べていいらしい。

となると、今日からのメニュー構成はこんな感じだ。おかゆに卵を落とした卵がゆ、

ネギを抜き去った豆腐の味噌汁、具のない素うどん、そして具が麩だけの味噌汁。

ラーメンなんてもってのほかだし、パスタや蕎麦もなんだか怪しい。

食物繊維を避けなきゃいけないから、結局は白くて柔らかいものばかりが並ぶことになる。

いったい、これから数日間どんなメニューで乗り切ればいいんだろう。

空腹と戦う以上に、この単調な献立の繰り返しに心が折れそうだ。

そんなわけで最後の食事は、野菜たっぷりのちゃんぽん。食べ納めだ。

検査が終わるまでの非常措置なのだ。





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