野菜なしチャンポン

 今日から低残渣食、いわゆる「カスが残りにくい食事」ってやつを始めた。

最初はまあ、なんとかなるでしょって軽く考えてたんだけど、いざ始めてみるとなんだか

猛烈にわびしい。キッチンに立つたびに、今まで当たり前だったものが「ダメなもの」に

変わっていくこの感じ。

冷蔵庫を開けると、使いかけのネギが寂しそうに残っていた。

ルール上、ネギは確定でアウトらしい。食物繊維の塊だもんね。

でも、捨てちゃうのも忍びないから、これを私の「最後のネギ」にすることにした。

明日からはネギのないうどん、ネギのない味噌汁が続く。

彩りもへったくれもない、茶色と白の世界だ。

ついでに、賞味期限が怪しいちゃんぽん麺も発掘してしまった。

これも食べなきゃいけないんだけど、ちゃんぽんの命であるキャベツもモヤシも、

今は天敵でしかない。

結局、野菜なしのちゃんぽんを作ることにした。

 もはやそれ、ただの「ちゃんぽんスープ味の素麺」じゃない?っていうツッコミが

脳内をよぎるけど、そこは聞こえないふり。

せめてもの抵抗で、冷蔵庫の隅っこにいたかまぼこを一切れだけ添えてみた。

 調べてみたら、かまぼこは意外と低残渣らしい。少量ならセーフ。

このピンク色の薄っぺらな一枚が、今の私にとっては唯一の救いであり、贅沢品に

見えるから不思議なものだ。

検査までのほんの数日。 たった数日我慢すればいいだけなのに、なんだかものすごく

長い旅に出るような、そんな気がしてきている。




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