野菜マシマシインスタントラーメン

 外はすっかり日が暮れて、四畳半の壁に映る街灯の影がなんとなく寂しげだ。

腹の虫がグーと鳴る。

今夜の相棒は、棚の奥に一袋だけ残っていたインスタントラーメンだ。

昨日の焼きそばで味をしめたオイラは、今日もまたあの「カット野菜パック」

の力を借りることにした。

普通に作ればただのラーメンだけど、今日は「野菜マシマシ」ってやつに挑戦だ

二郎系とかいう洒落た店には、この身なりじゃ気後れして入れないからな。

自分の城であるこの四畳半で、セルフマシマシを決め込むのさ。

まずは、鍋で湯を沸かす。そこへ間髪入れずに野菜パックをまるごと一袋、

ドサッと投入する。もやし、キャベツ、人参……熱湯の中で踊る野菜たちを

見ていると、なんだか健康的なことをしてる気分になれるから不思議だ。

野菜に火が通ってカサが減ってきたところで、麺を放り込む。

粉末スープの素を振りかけると、狭い部屋いっぱいに醤油とスパイスの香りが

立ち込める。この匂いだけで、ご飯一杯いけそうなくらいだ。

どんぶりに移すと、麺が見えないくらいの野菜の山。

これだよ、これ。視界に入る「盛り」の良さが、貧乏暮らしの心をちょっとだけ

豊かにしてくれる。



箸を野菜の山に突き立てて、下から麺を引っ張り出す。

熱々のスープを吸った野菜の甘みと、ジャンキーな麺が絡み合って、

口の中がまるでお祭り騒ぎだ。

シャキシャキの歯ごたえを楽しみながら、一心不乱にすする。

スープまで飲み干せば、腹はもうパンパン。

外の冷たい風なんて、今のオイラには関係ない。

この一杯で、体も心も芯から温まった。

贅沢なチャーシューもいいけど、こうして知恵を絞って安上がりに腹を

膨らませるのも、悪くないもんだ。

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