ほうれん草の胡麻和え

 ここんとこ、スーパーの野菜売り場に行ってもため息しか出なかったんだけどさ。

ちょっと前までほうれん草なんて、オイラみたいな貧乏人には高嶺の花だったわけ。それが最近になって、ようやく手が出る値段まで下がってきたんだよね。

これはもう、神様が「食え」って言ってるようなもんだろ。

ほうれん草には「アク」ってやつが含まれてるんだ。

シュウ酸って名前の、ちょっと厄介な成分なんだけど、こいつは茹でると

お湯の中に逃げ出していくらしい。

だから、オイラも重い腰を上げてアク抜きがてら茹でることにしたんだ。

さて、茹で上がったほうれん草をどうするか。

オイラの乏しいレシピ帳をめくってみたところで、選択肢は「胡麻和え」の

一択しかないんだよね。潔いだろ?

ただ、今回ひとつ賢くなったことがあるんだ。いつもは捨てちまうあの茹で汁、

実は台所のぬめり取りに使えるらしいんだよ。

今までずっと、なんとなく「栄養が逃げてる気がして勿体ないなあ」なんて

思いながら捨ててたんだけどさ。

掃除に役立つって分かれば、むしろ清々しい気分でドボドボ捨てられるって

もんだ。

茹でてギュッと絞ったほうれん草に、市販の胡麻和えの素をパラパラっと

振りかけて混ぜるだけ。これぞ四畳半流の贅沢。

さああ、実食じゃあ!




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